先日、とあるメンタルヘルス分野の論文に目を通す機会に恵まれました。論文といっても数ページの短報でしたが、内容は「病気と診断されない範囲のメンタル不調からくる過食(Emotional overeatingとその解決策」について。
Emotional Overeatingは、日本語に訳すと「情動的摂取」。
イライラしている時、不安な時、孤独を感じる時、寂しい時、つまらない時…などに
お腹が空いていないのに無意識についついパクパク食べてしまうこと。
また、Emotional Overeatingになってしまう原因には、ほかにもたくさんあり、例えば、
⚫️人に利用された時、濡れ衣を着せられた時、自分の性格を誤解された時
⚫️パートナーとの関係がうまくいかない、自分が嫌い、心の穴を満たそうとする時
⚫️新しい事にチャレンジする時、失敗を恐れる気持ちを紛らわすためだったり、
⚫️周囲とのお付き合いを優先し、お腹が減っていないのについ一緒に食べてしまったり….
などです。皆さんもきっとひとつは経験あるのではないでしょうか?
日本の労働者を対象とした最新の研究では、「夜9時以降のレイトディナーとストレス状態は過食を強化してしまう」ということなんかも明らかになっています。ストレスの多い状態で会社の飲み会が続いたりなんかすると、あっという間におデブに….なり得るので注意が必要です!
この論文には、合わせて具体的解決策がいくつか書かれていたのですが、その解決策がポジティブ心理学の最新研究(栄養やPhysical Activityとウェルビーイングの関連、日々の感情や行動を"書き出す"ことの健康への有益性など)オーバーラップするものがいくつかあり、とても面白かったです。要は、日々の自分の感情を客観的に把握し、自己統制力やレジリエンスを身につけ、セルフ・コントロール力を高めましょう、ということですよね。
原因と結果を明らかにする理論研究に対し、「じゃあどうやったら解決できるのか?」という実践分野に重きをおいて研究されているのがポジティブ心理学だと思っています。ですので、こういった研究分野の方々と協業していくことがキーだと思っています。
ちなみに、2005年のポジティブ心理学研究では、「心の病気がない人は86%で、心の病気がある人(Mentally ill)は14%。心の病気がない86%の人達の中でもイキイキ幸せな人(Flourishing)はわずか17%で、幸せでも不幸でもない人は(Moderate)57%、とても苦しんでいる人(Langushing)は12%もいる」ということがわかっています。「心の病気」と判断されなくても、苦しんでいる人達がいるのは事実で、このグループの人達は近い将来心の病気を発症する確率が高いと言われています。
(出典元:CAPP Program)
そういった潜在的に助けを必要としている人達にどのようにリーチしていけるのかが今後の課題ですね。
皆さんも、日々の感情や食事習慣をおろそかにせず、心身ともに健やかなウェルビーイングを一緒に目指していきましょう!
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2015年秋より、東京にてポジティブ心理学講座開講予定です。日程、講義内容は詳細は近日公開。
ご興味ある方はぜひ、info@innereye.tokyoまで、ご連絡お待ちしています!
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