IQとEQ、からのAQ

IQ(Intelligence Quotient/知能指数)に加えて、最近ではすっかり巷でおなじみのEQ(Emotional Intelligence Quotient/感情指数)

IQが高い人は、知識豊富で、頭も良いし、効率もいいし、なんでも出来ちゃう人。地頭が良い人という感じですね。仕事は誰よりも早く結果を出しますし、論理的思考に長けていたり。その分ちょっと孤独だったりするかも。

EQが高い人は、心豊かで、他人に共感できたり、相手を励ましたり、周囲のモチベーションを上げられたりできる人。いつも周りに友人が多くて幸せそうな感じ。「心の力」いわゆる「人間性」が高くて魅力的な人のことです。一方で、目標達成するためにはどうしたらいいんだろう~と漠然に不安だったりするのはこっちかもですね。

みなさまは自分自身のこと、どっちが高いと感じます~?IQは言わずもがななので良いとして、EQについてもう少し触れておきますね。

EQの構成要素は以下大きく4つに分類されます。(by ピーター・サロベイ博士&ジョン・メイヤー博士)

1:自分の感情を感じ取る能力

2:最適な感情を創り出す能力

3:他者の感情を把握し、相手の言動の中での感情の位置づけを理解する能力

4:自己成長を促すために感情をコントロールする能力

EQは世界的に見ても、ここ10年ほどビジネスの世界でも取り入れられていて、世界トップ企業といわれる「フォーチュン500社」のうち、8割の企業が教育などの研修等によって自社になんらかの形でEQを導入しています。

で、さらにIQの高さとビジネスでの成功度合い(年収や役職など)との関連性を調べた研究では、「IQの高さとビジネスでの成功に関連性はない」という結果が出おり、逆に「ビジネスでの成功者たちに共通する要因は?」という研究結果では、「自身の感情を的確に把握し、他者の感情の状態を感じ取る能力に長けている。結果、周囲と良好な関係を築くことができ、優秀な成果を上げることができている」、つまり「対人関係能力に優れていた」という研究結果が出ています。つまりはビジネスでうまくいっている人はIQが高いとは限らない。EQも多いに関係があるってことだと思います。

ん~私もこれには同感だな~。特に上記の研究結果は知らなかったですが、いくらビジネス知識が豊富で野心家だったとしても、やっぱり「人として大切なこと」を知ろうとしなかった結果、思わぬトラップに引っかかったり、裏切りに合って一瞬にしてお金を失ったりとかしてた人、結構見てきたかも。まぁ人によって何を「成功」とするかにもよると思いますが、何事もバランスが大事ということでしょうか。要は自分は元々どちらが強くて、じゃあどちらを意識して補強すればうまくいくのか、を「知る」ってことが一番大切なことなんじゃないかと思います。

で、今日話したいのは、加えてAQ(Adversity Quotient/逆境指数)についてです!これは本当にここ最近注目され出してきた概念で、ポジティブ心理学の中でも有効な研究結果を打ち出しているレジリエンス(精神的回復力/修復力)と大きな関連があります。IQが知能指数、EQが感情指数なら、AQは精神の強靭さを図る指数、と言ったところでしょうか。正式な日本名がまだ確定されていないくらい新しい概念なので、説明が難しいですね。「レジリエンス」についてはポジティブ心理学の中でも重要なキーワードなのでまた追ってシェアしたいと思います。

AQ指数は大きくわけて5段階に分類されていて、以下のようになってます。(by ストルツ博士)

試練に直面した際、指数が1番低い人から逃避(Escape)という行動をとり、2番目はやっとのことで生存(Survive)、3番目はただ単に対処(Cope)、そして4番目はしっかりと管理(Manage)、最後一番AQ指数が高い人はその試練を滋養(Harness)の段階まで引き上げます。つまりは、直面した試練をきっかけととらえてどんどん成長していく。

以前にこのブログで紹介した【Tow Mindsets】ポジティブ心理学講座 にも書きましたが、目の前に試練や障害など辛いことがやってきたときに、それをどう捉えるか。そこでぐっと人間的成長に差が出るわけですね。面白い小話としては、アメリカ大統領選挙では23回中22回、AQが高い候補者が勝っていたそうです。

そしてこれって、仕事観・人生観・人間観・恋愛観すべてに言えることなんじゃないかなーって思います。前回の記事、閉じたら開くでも書きましたけど、目の前に起る出来事や出会う人達はすべて今の自分にとってなんらか「意味」がある。そこから逃げたり、後悔し続けたりせずに真正面から「今ここから学ぶことは何か?」を意識して吸収する。そんで、そこから得たことを自分自身やこれから出会う人達、出来事に前向きに活かしながら、強くしなやかに生きていけるかどうか。ここで差がつくと思います。

あと、この話をしていてふと思い出したのでついでにもうひとつ、世界保健機構(WHO)が提唱した新たなWellness(ウェルネス)の定義についてもシェアしておきますね。『身体、精神、知識、社会力など6つの要素から成り立っており、この6つをバランスよく全ての要素を満たすことで、Well-Beingすなわち、心身共の健康を手に入れること』となっています。

Chart_wellness.jpg



※ 参照元:http://kakuryu-hawaii.com/wellness.html

書いてて思いましたが、この表には面白いことに、IQ(知力)、EQ(感情抑制力)、AQ(精神力)、と全ての要素がすでに入っているような気がしますね。新たな発見です!

ちなみに、私の2014年のResolutionも “Balance is everything.”。いつも自分らしく等身大でいること、仕事も遊びもバランス良く。穏やかに厳しく。視野に高さと深みと広さを。遅すぎず早すぎず。強くもあり弱くもあり。自分のことだけ考えず、相手のことだけ考えず。偏らない時間の使い方。女性としてひとりの人間として。心も体も調和のとれた毎日を過ごすこと。

自分なりのバランスで健やかに(Well-being)に生きられる人が一人でも増えること、これはやっぱり目指していきたいところですね。では今日も一日お疲れ様でした!

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2015年秋より、東京にてポジディブ心理学講座開講予定です。日程、講義内容は詳細は近日公開。

ご興味ある方はぜひ、info@innereye.tokyoまで、ご連絡お待ちしています!

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