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こんにちは!
科学と心の力で個と組織の豊かな調和と発展を支援する
INNER EYE CONSULTING の大川千秋です。
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本日は、
組織の「関係の質」ってどうやって高めるの?
についてです。理論ではなく「実践のポイント」に焦点を当てていきます。
あ、「組織」とありますが、ご家庭やプライベートでも同様に役立つ情報ですので、
ふだん企業等でお仕事をされていな方も、
ぜひ、“組織”→“周囲の人々”に換えて読み進んでみてください。
まず前知識として、
ご存知の方も多いとは思うのですが、マサチューセッツ工科大学ダニエル・キム教授の「成功循環モデル」を簡単におさらいしていきます。
「成功循環モデル」は、以下4つの要素をもとに、組織活性のサイクルを捉える考え方ですが、バッドサイクルとグッドサイクルがあります。
結果の質
関係の質
思考の質
行動の質
バッドサイクルの例として、
「結果の質」からスタートしてしまうことで、「関係の質」→「思考の質」→「行動の質」とどんどん悪化していくパターンが挙げられます。
例としては、営業組織などではよく見る光景だと思うのですが、
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まずはメンバーにKPIやアクションの「結果の質」を求め、
↓
成果が上がらないと1on1等で上司から「詰め」が入る
↓
メンバーは「守り」に入り、上司批判や対立構造ができる・上司からの命令が横行する(関係の質の悪化)
↓
関係が悪化すると、メンバーは自ら考えることをやめ、後手に回ったり受け身になる(思考の質の悪化)
↓
受け身や思考停止状態なので、当然自発的・積極的に行動しなくなる(行動の質の低下)
↓
成果が上がらない、低評価が下る(さらなる結果の質の低下)
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となります。あるあるですよね。
私も身近にこのサイクルに陥っている組織はたくさん見てきました。
例えば、ご家庭でも、
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旦那さんにしてほしいことがあったのに
「なぜしないのか」「なんでしなかったのか」から会話がスタートすると
↓
「いやお前だってOOしないだろ」とか「そんなんいうならもう全部しない」などネガティブ会話になっていき
↓
一度責められた旦那さんはもう次に行動しなくなり
↓
さらに奥さんに責められる…
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とかですかね。我が家でもたまにありますね~笑
一方で、グッドサイクルの例としては、
「関係の質」=信頼関係を高めることからスタートできれば→「思考の質」→「行動の質」→「結果の質」とどんどん向上していきますよ、ということなのですが、
この肝心な「関係の質」。
一体どうやって高めていけるのでしょうか?というのが今日の本題です。
前置きが長くなりましたが、ここで役立つのがポジティブ心理学の数々の研究結果。
ポジティブ心理学には、「何が悪いのか」ではなく「何が良いのか」に目を向ける心理学とも言われていて、組織や周囲の人々との関係性を高める研究が多くあり、ヒントになるデータがたくさんあります。
そんな中でも、大手企業で組織開発に従事してきた私なりに実践してみて
効果があった内容を抜粋して紹介していきますね。
まず1つ目は、
1on1やチームMTGの冒頭で、
お互いの「Good Newsを共有する時間を取ること」です。
…「えっ?」っと思った方も多いかもしれません。
意外に簡単なことです、でも意外とできていないこと、ではないでしょうか。
Shelley Gable et al (2004) のリサーチによると、
人はBad Newsをシェアした時よりGood Newsをシェアした時の方が関係が深まるというデータがあります。
Good Newsとは、最近、「嬉しいと感じたこと」「前向きになれた瞬間」「自分を誇りに思えたこと」「相手に実行した思いやり」など小さなことで良く、「お客様からありがとうを言われた瞬間」などでも構いません。(天気や時事ネタなどのただの雑談ではないこと、もポイント)
例えば、私が実際に組織のリーダーとしてこの施策を実行していた時に出てきたのは、
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●姉御肌でカッコイイ女性社員が、「前から欲しかった車を先日キャッシュで買いました!」とか
●課長職の男性社員が「家庭菜園にハマっているのですがトマトが上手に採れて美味しかった」とか
●若手社員が「お客様にプロジェクトの最後にお褒めの言葉をもらえて嬉しかった」
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などです。
こうした会話を通すことで、なかなか仕事の話だけをしていると出てこない会話や、
相手の趣味、価値観が良い雰囲気の中で見えてくることにメリットがあります。
(プライベートな話を強要するのはNGです。あくまで話題は本人に任せる)
実は、上司の見ていないところで、メンバーが顧客に小さなことで褒められていたり、感謝されていたりするのですが、自分からはなかなか言わないので伝わっておらず、彼の良さや強みを再発見できる機会にもなりました。
また、こうやって相手の大事にしているポイントやこだわりが見えてくると、
「あ~このミスは、OOさんなりにこの観点を優先したから起こったことだったのか」とか、
「OOさんを喜ばせるにはこういうポイントが必要だったのか。お客様にも試してみよう」
とか、「思考の質」の向上のみならず、相手を思いやる「思考の幅」も繋がっていきます。
そしてそして!
Good Newsを話している本人自身にもメリットがあるんです。
「ポジティブな感情を他人と共有することで、人生により前向きで満足していると感じる、自尊心が高まる、孤独感が減る」などの利点があるという研究結果もあるので、
ご自身のメンタルヘルスの向上にもつながり、一石二鳥ですね。
そして、実践する上で大事なことは、
まず組織のリーダーが、結果が出ていなくても数字が上がっていなくても、まずはこの時間を持つと決めることかなと思います。
(私はたとえ夫と喧嘩した日でも、必ず寝る前に今日の良かったことを共有するようにしています)
限られた時間のなか、ピリピリした雰囲気の中、すぐに数字の詰めに移りたい気持ちが先走るのはわかります。
でも、この「少し遠回り」が、持続可能な組織を作るための重要な投資である、という考え方を日常的に身につけ、周囲を巻き込みながら実践していく必要があります。
どうしても難しい場合は、ランチ時やタバコ休憩などでも構いませんので、叱咤や愚痴の代わりに、「おー、最近良いことあった?」と話しかけるだけでも、関係性は変わってきます。
いかがでしたでしょうか。
よければ皆さんも是非、来週から実行してみてくださいね!
次回は、メンバーが「Good Newsを話てくれている時の反応の仕方のポイント」
について触れていきます。
質問や感想などもお待ちしています。
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それでは皆さま、今週もあと少し!
よい週末をお過ごしください^^
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